市民公開講座 『 運動麻痺からの機能回復戦略 』

2014年2月25日に、自然科学研究機構 生理学研究所 (発達生理学研究系 認知行動発達機構研究部門) 准教授 西村幸男氏を講師に迎え、地域の方と、病院職員、老健施設の職員およそ150名参加のもと開催いたしました。 jimu1 今回の講座では神経損傷後に残存した神経構造同士を、損傷領域で跨いで人工的に 神経接続する“人工神経接続”により、失った四肢の随意制御の機能再建に成功した 例などを紹介していただきました。まず初めにチンパンジーを用いた脊髄損傷モデル を用いた損傷直後からリハビリ後の状態の映像を見せていただきました。 jimu2 直接経路が切断されているため最初はほとんど動かせない状態でしたが、1ヶ月ほどである程度の状態まで回復することができていました。間接経路が残っていれば機能を代用することができ、器用さを取り戻すことができるそうです。 リハビリは早く始めた方が治りが早く、すぐに始めた場合と1ヶ月後に始めた場合とでは60%ぐらいの違いがでたそうです。 やる気の神経回路と運動の神経回路が相互に作用しており、悩んでいるよりまずは体を動かすことが大事だそうです。 jimu3 『 迷ったらまず動くこと。動けばやる気がでてくる、 やる気がでれば繰り返す。 』

続いて、脳とコンピュータを接続し、ロボットの腕を操作する「人工神経接続」技術についての映像をみせていただきました。ですが、この人工神経接続では本人は麻痺したままで、大きな機材につながないと動かすことができないため、現在は自由行動下で日常生活で利用可能な人工神経接続を目標に研究をしているそうです。

現在研究中の非侵襲的応用の筋肉と末梢神経間での人工神経接続や脊髄への磁気刺激による随意歩行再建の映像などもみせていただきました。 「人工神経接続」将来的には小型のコンピュータチップを体内に埋め込み、麻痺した体を動かす事ができる可能性があるそうです。 jimu4 脊髄損傷のほか、脳梗塞で体が不自由な人にも応用できるとのことで、早期に実用化されることを期待したいです。 引用参考:自然科学研究機構ホームページ 西村准教授研究資料

事務部