宇野病院市民公開講座 報告

平成26年7月22日(火)第5回宇野病院市民公開講座を開催いたしました。 今回は自然科学研究機構 生理学研究所の和氣弘明准教授による『脳の恒常性を維持する細胞たち』という内容でした。講演会には地域の方々と当院職員、法人内施設の職員合わせて150名程が参加しました。 sya1 神経・精神疾患は神経回路の恒常性の破綻によっておこると考えられ、その恒常性を維持するものとしてグリア細胞があり脳内で様々な働きをしていることをお話しいただきました。グリア細胞とは脳内の張り巡らされた神経細胞を埋める糊のようなもので、神経細胞と協調しながら働くことで、神経回路は成熟し、脳内の情報処理を効率的にできると考えられているそうです。脳の障害は脳内の異常たんぱく質の蓄積が原因とされてきました。この蓄積によって神経細胞が死んでしまいます。グリア細胞のなかでもミクログリアと呼ばれるものは、蓄積された異常たんぱく質を食べる事で障害の進行を食い止める働きがあります。しかし一方で普通の神経も食べてしまうという性質も持ち合わせています。先生の研究では、この異常たんぱく質のみに働き掛ける信号をミクログリアに送れば良いのではないかという研究をすすめているそうです。 脳内は未知な事が多いのですが、最新の研究機器によりリアルな3D映像で神経細胞を見せて頂いたりとても興味深いものでした。 脳内の障害・病気をどう予防すれば良いのかという質問に対しては、日常生活の改善が大事との事で、生活習慣病は身体のあらゆる弊害になっていることがわかりました。 適度な食事・適度な運動が大切です! 事務部