市民公開講座『モノを見る仕組みと病気』

2013年11月26日に、自然科学研究機構 研究力強化推進本部 特任教授の小泉周氏をお招きし、市民公開講座『モノを見る仕組みと病気』を開催致しました。地域の方もお招きし、病院職員と老健施設の職員でおよそ150名が参加しました。 1-300x225[1] 岡崎市にあります自然科学研究所には、世界でも数少ない研究機器が揃っています。小泉先生は「ものを見る脳の働き」を研究されているので、高性能のMRIで、頭から髪の毛、頭がい骨を取り除いた脳だけの画像を見せて頂きました。 ヒトがどのようにモノを見ているのか、デジタルカメラ以上の働きをしている目の動き、目と脳との不思議な関係、錯視・錯覚、モノを見る仕組みに関する病気についてお話いただきました。錯視・錯覚についてはおもしろい実験をしました。モノクロの女性を15秒間じっと見続けていると、画面が白くなったあとの数秒間カラーの女性が浮かび上がりました。これは脳が作り出している映像でとても不思議な体験でした。また下の図のようなAとBは、実は同じ色という画像をいくつか実演して頂きました。 23 また人を含む脊椎動物は目の構造上「盲点」というものがあることを学びました。これは視神経から脳に情報を取り込む為、その部分だけが光が入らず見えない部分が存在するのだそうです。 錯視、錯覚とは目だけではなく、脳と関係している事がわかりましたが、ここで「緑内障」についてもお話いただきました。緑内障は視野が欠ける・視野が狭くなるといった症状がある病気ですが、初期症状で視野が一部欠けていても、脳が見えていない部分の映像を作ってしまうため、発見が遅れてしまうことが多いそうです。早期発見するためには、目の異常を感じたらすぐに検査をすることが必要ということでした。 人間には1日周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。これは意識しなくても日中カラダと心が活動し夜は眠くなるという生理機能です。カラダのすべての臓器にも体内時計があり、その中心となるのが脳にあり指令を出しリズムを刻んでいます。1日25時間周期の為、毎日1時間ずつ遅れていきます。朝日を浴びてリセットする事が健康の秘訣だそうです。 54

事務部