第6回宇野病院市民公開講座 報告

2014年10月21日に、自然科学研究機構 生理学研究所 北田亮助教をお招きし、『目が見えないことは脳にどのような影響を与えるのか』をテーマに市民公開講座を開催致しました。地域の方もお招きし、病院職員と老健施設の職員でおよそ120名が参加しました。 tou1 - コピー tou2 北田博士は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、生まれつき目が見えない人でも、目が見える人と同じように脳のネットワークの一部が活動することを確かめました。 視覚障害者と目の見える人を対象にした触覚課題では、手をかたどった模型、急須の模型、車の模型の各4種類を実験参加者が目を閉じた状態で触わり、さらに目の見える人には、同じ模型を見て当てる視覚課題を行いました。 tou3 その結果、目が見える人では、触覚課題でも視覚課題でも手の動作を認識するために働く脳の活動が観察され、目の見えない人でも同様に確認することができました。これは、手の動作の識別が感覚に関係なく駆動するだけでなく、視覚経験の有無にかかわらず、発達することを明らかにしました。 tou4 この研究結果は、早期に失明した子どもの場合であっても、視覚経験の有無に関係なく社会的に活躍できることの根拠を示しています。今後も脳の活動を知ることで、人間を理解するための研究がされることに期待したいです。 引用参考:自然科学研究機構ホームページ 北田亮助教研究資料

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