宇野病院市民公開講座 - 事務部 -

2015年7月14日に、自然科学研究機構 基礎生物学研究所 光脳回路研究部門 教授 医学博士 松崎 政紀氏をお招きし、第8回市民公開講座『光で探る脳内神経細胞の働きと記憶』を開催致しました。地域の方々をはじめ病院職員及び当法人職員約100名の参加がありました。 shimin1shimin2 私たちが単語を覚えたり運動を覚えたりするとき、脳の中で何が起こっているのか、神経細胞の形や機能を見る技術の最前線のトピックを交えながらお話しいただだきました。 先生は脳内の神経細胞の働きを研究されているので、動かない標本では検証ができない訳ですが、2008年にノーベル化学賞を受賞された下村博士の蛍光タンパク質(GFP)の発見で大きく生命科学へ貢献されることになりました。この10年間で光を使った計測技術が劇的に向上し、マウスなど小動物の脳内の多数の神経細胞の活動を1個1個リアルタイムに観察できるようになったそうです。 マウスなどの小動物が学習する時には、スパインと呼ばれる神経細胞の構造が大きくなって安定するまで、運動する時には、神経細胞が脳の深いところにネットワークができるまで、いずれも繰り返し練習することが重要だそうです。実際にGFPを使って神経が伝達する様子の貴重な動画を見せていただきました。私たちが学習や運動を繰り返し繰り返し練習することには、やはり科学的根拠があったということなのです。 副題に「マウスはiphoneを操作できるようになるだろうか」とありました。マウスがスマホをタップしたり、フリックしたり、、、、とても興味が沸きました。マウスも繰り返し練習する事で脳内の神経細胞が活発に働き操作を習得できるまでになるのでしょうか。そこには褒美が無いと難しいかもしれません。マウスがスマホを使うメリットさえ見つかれば不可能ではないと思いますが、近い将来マウス同士がスマホでコミュニケーションを取る時代がやってくるかもしれません!? また、こころの神経ネットワークの謎が解けるかも?と先生の研究は壮大です。最先端の脳科学の研究に触れる事ができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

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